昭和33年の観音崎
 『観光神奈川見聞録』に紹介された
観音崎・観音埼灯台・観音崎の姿見

観音崎

 
三浦半島中特に東京湾沿岸で景勝地を
あげるなら、先ず第一に観音崎に屈せざる
を得ないだろう。観音崎は鴨居という漁村の
北部にある。昔走水観音と称した祠堂が
あったので仏崎とも呼んでいた。
 今は舟守観音の小堂宇がある。この崎は
峻嶮にして、緑樹鬱蒼として茂り、白亜の
灯台と洵によき対照をなしている。正面に
房総半島の富津海岸が6.5kmの彼方に
瑠璃色の東京湾の水を載って銀線を
引いている。まさに一衣帯水だ。真帆片帆
といいたいが、眼下を航行するものの多くは
近海近は或いは遠洋航路の巨船である。

観音埼灯台
 灯台は、観音崎の突端にある。
灯の高度海面上54m。
主灯下10mの一窓に副灯がある。
主灯は不動赤色で、浦賀港口の海獺島を
照らし、晴天光達31km。
副灯も赤色、光達13km、上総の国富津の
浮標を照示す。
灯台は、横須賀海軍工廠の前身、横須賀
造船所首長フランソア・レオン・ヴエルニー
の設計に係り、わが国における様式灯台の
最初のものとして明治2年(1869)1月1日
初めて点火した。副灯は大分後れて11年
8月15日に初めて点火したものである。

昭和33年発行の『観光神奈川見聞録』
「横須賀市−観音埼灯台」より

灯台の方へ上る坂道の下にある瀟洒なレスト・
ハウスは気が利いているし、渚に繋がれている
乙姫丸も硝子張りの船底を通して海の生態を
観察できるように出来ていて面白い趣向である。

観音崎の姿見
 これは味覚の方であるが、姿見とは鯛を
そのまま姿をくずさないように生ずくりにして
食膳に上すもので鮮度のよさはいわずもがな
色彩といい、味覚といい、食道楽の垂涎を禁じ
得ない。

 セピア色の観音崎・鴨居へ


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