━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
検索のプロになって、身近な問題を勉強しよう
                     北畠尊也@活法研
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 私たちの身近な問題の一つとして「この国の美しい自然が失われつつある」ということがあります。
 20世紀は、環境(かんきょう)を破壊(はかい)し続けた時代だと言われています。21世紀をむかえた今、豊かなくらしを手に入れた私たち、前世紀と同じように、このまま環境破壊を、ずっと続けていていいのでしょうか。
 そこで、「kyositu.com」を使って、その辺を考えてみることにしました。

 さて、「環境」を考えるときは、どのように「kyositu.com」を利用するとよいのでしょう。まず、「環境」をキーワードにして、検索(けんさく)してみましょう。う〜ん。172件ものホームページがヒットしました。
 もちろん全部のページを見て勉強することを止めたりはしませんが、ちょっと多すぎますね。考えてみると、「環境」というのはかなり広い範囲の学習なのですね。環境の勉強と言っても、それだけでは何を勉強するのかはっきりしません。
 ですからまず的をしぼりましょう。

 たとえば、みなさんにとって身近な「川」なんてどうでしょう。
 「川」で検索してみましょう。おっ。今度は71件です。だいぶ絞られました。でも、まだ広いですね。「川」の何が調べたいのでしょうか。環境について調べたいということで「川」に来たのですから、もう一歩ふみこんで考えてみましょう。そうだ。「川が汚れている」とか「川の生き物が減っている」とかの問題が心にあったことに気付きました。

 そこで、そこからさらに「環境破壊」でしぼりこんでみると、18件になりました。これなら多すぎませんね。成功です!ちょっとホームページの題名(だいめい)を見ていきましょう。

「活動しよう!−環境保全活動ガイドブック−」
http://www.erc.pref.fukui.jp/unep/action/
 なるほど。面白そうです。見てみましょう(クリック!)
 ふむふむ。これは国連環境計画(こくれんかんきょうけいかく)の同名のガイドブック=活動指針(かつどうししん)を、日本語に訳したものです。
 豊富な内容で、とても勉強になりますが、これを読破(どくは)するには、かなりの知識的基礎体力(ちしきてききそたいりょく)が必要になります。みなさんには、少しむずかしすぎるかもしれません。
 ですが、大事な内容ですから、実際に「自然をまもるために活動しよう」と思い立ったとき、このページを思い出して下さい。

「渓流と砂防ダム問題 渓流保護ネットワーク」
http://www.shiojiri.ne.jp/~hirayama/
 うん。これはなかなか直接的な感じがしてきました。
 住民の安全を守るという名目で作られる、むだなダムのために、日本が世界にほこる美しい自然や、たくさんの生きもの達が、この国から姿を消していっていることが解ります。

「蘇れヒメボタル」
http://www.rr.iij4u.or.jp./~t-yamaki/htr/hindex.htm
 なんだか、もっとみなさんの関心に近づいてきた様じゃないですか?
 ホタルといえば、理科で習いましたね。幼虫の時は川の中にいて、カワニナなどを食べているあの昆虫です。
 ところが、このヒメボタルは陸生(りくせい)、つまり幼虫の時も陸地に住みベッコウマイマイやオカチョウジガイといったカタツムリの仲間を食べているのです。
 変わっていますねえ。
 ところが実は、みなさんご存知のゲンジボタルやヘイケボタルの様な水生のホタルの方が、世界的にもめずらしいんだそうです。
 これだけ見ても、世界的にも貴重(きちょう)なホタルの産する川を人間の勝手でつぶしていいものかどうか、考えてしまいます。
 また、このヒメボタル達も、川の土手に住んでいるそうですが、まさに今、堤防(ていぼう)の工事のために、命を奪(うば)われようとしているのだそうです。

 こうして見ていると、今度は生きものの立場で、検索してみたくなりましたね。さっそく好きな生き物で検索してましょう。

 みなさんの大好きな「かに」なんてどうでしょう。

 おっ。ありましたありました。

「小林博士のモクズガニ生態図鑑」
http://www.zspc.com/mokuzu/index.html
 このホームページの「自然環境とモクズガニ」という項目を見てみると、川の生きものと河川工事との関係がよくわかります。
 多くの川の生きもの達は、海へ降り、また川へ上って、それをくりかえしているんですね。
 ところが、その途中に急にかべが現れたり、土や草があって歩きやすかった所が、ツルツルのコンクリートになっていたり。
 これでも本当に環境には影響(えいきょう)のない工事だったと言えるのでしょうか。

 次に「メダカ」なんてのはどうでしょう。
 昔はどこにでもいたメダカが、今では絶滅(ぜつめつ)しそうだなんて、みなさんは信じられますか。

「メダカDEパラダイス」
http://www.kita-es.kiu.ne.jp/medaka/index.htm
 ここは、メダカを通して環境問題にとりくんでいるホームページですね。なんだか当たりのような…。
 なるほどメダカが減ってきた理由や、メダカをどうやって残していけばいいかなどが分かりやすく提案(ていあん)されています。
 うん。みんな明日からでもできることがあるんだ!

 ここまでいろんなホームページを見てきて、なんだかみなさん、環境保護のプロになった様な気がしませんか?
 まあ、それはおおげさですが、実はホームページ検索のプロにはあと一歩というところまで来ています。

 今「環境」について「kyositu.com」を活用して考えて来ました。検索しようとしたら、「環境」よりも「川」、そして「川」だけでなく「環境破壊」も入れた方が、欲しかった情報に素早くたどり着けることが分かりました。
 また、調べているうちに、生き物の立場で考えたら、とキーワードを変えてみることで、別の見方からの情報にもたどり着くことができました。

 私が、みなさんに学んでほしいのは、まず興味を持つこと。そして、その興味を元にいろいろな情報を集めて勉強すること。さらにはそのたくさんの情報を見比べて、疑問をもつこと。
 そうして、何が本当のことかを判断できる知識を持ち、自分が何をどのようにしていけば良いのか。このことについて、考えてほしいのです。
 インターネット上にはたくさんの情報があふれています。勉強しようと思えば、パソコンの前にすわるだけで何でもできます。
 ただし、テーマをしぼり、興味と疑問を元にインターネット上の情報を自分の判断力で理解できること。これができなければ、せっかくのたくさんの情報を活かすことはできません。
 身近な問題について、少し考えてみようと思ったら、ぜひともこの方法をためしてみて下さい。
 そして、自分自身の考え方を見つけてほしいのです。


論文一覧のページへ 


魅力の地 観音崎    旅情報              学習情報            リンクのページ    
自己紹介・連絡先情報