2000-12-11
うみがめマリンの大冒険
文・絵 海上保安庁 大待 雄治郎さん
(ご本人の承諾を得て掲載させていただきました。)
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こんにちは
ぼくの名前はマリンです。
ぼくは 大海原をみわたす 白い白い砂浜で生まれました。
どこまでも青い海 どこまでも青い空
さわやかなしお風が 吹いています。
海草や魚 そして クラゲをたくさん食べて大きくなりました。
海はとってもきれいで すごく気持ちいいんだよ
A

夏休みになると 町に住む子どもたちがぼくに会いに来てくれました。
僕たちは毎日毎日楽しく遊びました。
海にもぐると すばらしい海の生き物たちに出会うことができます。
背中の子どもたちは
「海は気持ちいいなあ」
と、喜んでいました。
B

夏休みも終わりに近づき 子どもたちが町に帰る日になりました。
白い白い砂浜から 子どもたちを乗せた船が小さく見えています。
船が遠ざかるにつれて ぼくはとっても寂しくなりました。
よーし ぼくも追いかけていこう
マリンは泳ぎ始めました。
C

いっしょうけんめい泳いでいくと たくさんの船に出会いました。
これがコンテナ船か、おおきいなぁ
こんどは 貨物船が来たぞ
すっごく速い船が来た 客船だな
漁師さんの船もやってきた
こんなに近くで見るのは 初めてだ
みんなぼくの横を追い越していきます。
遠いなぁ
だいぶつ疲れてきたよ
いや もうひとふんばり
がんばって泳がなければ 子どもたちにあえない
D

あっ 見えてきたぞ
たくさんの家や工場が 見えてきたぞ
あのあたりが 子どもたちがすむまちなんだ
今 子どもたちは どうしているのだろう
もう少しだ
でも水がよごれてきたなぁ
ゴミがたくさんういている
前が見えにくくなってきたよ
E

長い時間泳いでいたので
おなかが減ってきた
あっ こんなところにも クラゲがいるんだ
よーし、食べよう
ぱくっ
かみ切れないよ
ごくっ
なんだか味がないなぁ
マリンは この変なクラゲを いっぱい食べてしまいました。
F

もうすぐ子どもたちにあえる
マリンが町をめさ゛して
一生懸命泳いでいるその時
ウー おなかが痛い。
苦しいよ
どうしたんだ。おぼれてしまうよ
もうだめだ
マリン大ピンチ
ちょうどその時 海上保安庁の巡視艇が通りかかりました。
なんだか あのカメ おかしいぞ
苦しそうだなぁ
あっ おぼれているぞ
G

海上保安官のお兄さんが ぼくを助けてくれて
近くの海まで連れていってくれました。
ウーおなかが痛い
ウー苦しい
ぼくはどうなるんだ
あたりがぼんやりとしか 見えなくなりました。
もう 子どもたちに会うことができないかもしれない
と思ったとき とっても悲しくなりました。
そして ぼくは港の近くの病院にかつぎこまれました。
H

速く手当をしないとあぶないぞ
病院の先生も心配そうです
ぼくは すぐに手術を受けました
痛いよ
病院の先生が びっくりしてぼくのおなかの中をのぞいています。
ぼくのおなかの中からは ビニール袋がいっぱいでてきました。
そうです。
ぼくが食べたのはクラゲではなく ビニール袋だったのです。
ビニール袋が 腸(ちょう)に詰まって 腸閉塞(ちょうへいそく)という病気になっていたのでした。
もう少しで死んでしまうところでした。
I

手術が終わって 命拾い
ぼくは しばらく町の水族館で過ごすことになりました。
毎日 たくさんの子どもたちが ぼくに会いにきてくれます。
ねぇ みんな
海が ゴミや油で汚れていると 泳いでいるとき
前が よく見えないんだ
ビニールはクラゲによく似ているんだよ
そしてぼくは まちがえて食べて大変なことになったんだ
ぼくだけじゃなくて 海の生き物たちは
みんなとっても困っているんだよ
ぼくが生まれたあの白い砂浜と
きれいな海を汚さないでね
J
その後、ぼくはすっかり元気になり
水族館のおじさんや
ぼくに会いに来てくれたみんなのおかげで
生まれ故郷の砂浜に帰ることができました。
ぼくが死にそうになった この町では
今 海や川をきれいにする運動が盛んに行われています
大勢のボランティアの人が 海岸や河原の掃除をしているそうです
でもね ひとりひとりが 海や川に ゴミを捨てない
その心がけが大切ですね
ぼくマリンからも お願いします
未来に残そう 青い海
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