『みんなで考えよう 鴨居の町』              
                     横須賀市立鴨居小学校 4年      
 1、活動について
 4年生になった子どもたちは、行動的で活動的である。様々な学習活動で地域に出かけることが多い。
 例えば、社会科では、地域の産業や消費生活の様子、人々の健康や生活や安全を守るための諸活動について見学したり、調査したり、調べたことを表現したりする活動をしている。
 また、理科でも身近に見られる動物の活動や植物の成長を季節と関連しながら調べる活動を展開している。さらに他の教科でも、様々な教材を通して,地域を活用している。
 しかし、実際に町に出かけていくと、足が不自由で電動車椅子で買い物をしている人や杖をついている人に出会うこともある。また、歩道上に電信柱があったり、自転車が放置されていたり、ごみが散乱していたり、自分たちの住む地域について,考えさせられる現状がある。
 この現状を踏まえて、子どもたち一人ひとりが自分たちの住む町について考え、よりよい生活ができるようにしていくことも必要になってきている。
 その意味で、この活動を通して、人を助け、共に豊かな社会をめざそうとする心情を育て、また思いやりの心、共感性、連帯感などの豊かな人間性を育む資質を育てたい。さらに地域についても自分なりの見方や考え方をもてるようにし、さらに自分の住んでいる地域を愛する心を育み、地域への関心や意欲を高めていきたい。
 また、児童が自らの課題に進んで取り組む中で、友だちや地域の人とかかわりながら、助け合いながら意欲的に取り組む姿勢が育って欲しい。
 ここでは、国語の『手と心で読む』の授業をきっかけとして、町を見なおすチャンスと捕らえ、子どもたちの思いや願いを大切にして、課題作りをし、それを子ども一人ひとりが自分の力で解決していくようにしたいと考える。
 
 
 2、活動目標
 
・自分のまわりには、いろいろな人がいることを知り、自ら課題を持ち、進んで調べたり考えたりしていく中で、障害を持った人や高齢者を助け、ともに豊かな社会をめざそうとする心情を育て、思いやりの心、共感性、連帯感などの豊かな人間性を育む資質を育てたい。
・地域を様々な視点で見ることにより、自分たちにできることがないか自分ならどのような町作りかできるかを考えさせたい。
・誰もが社会に役立つ存在であることに気付き、社会における人々の連帯感を感じるとともに、この活動を通して望ましい人間関係をつくる。 
 
 
  3、活動展開(30時間)
 

   児童の活動

   教師のかかわり

1、一人ひとりがどんなことをしたいか考える。         (2)
・点字を打ってみたい。
・目の不自由な人と話がしてみたい。
・どんなところに点字が使われているか調べてみたい。
・目が不自由だとどうなのか、試してみたい。
・盲導犬とあってみたい。

2、目の見えない人から話を聞く。
               (2)
・目が見えなくてもがんばっている。
・盲導犬がいると便利。
・わたしたちにできることは何かな。
・盲導犬の邪魔をしないようにしよう
・困っていたら声をかけてあげよう。
・点字をいたずらしないようにしよう




3、町に出かけて、町の様子を調べる。                             (18時間)
 【点字調査グループ】
・点字がどこにあるか調べる。

 【鴨居の町に住む人調べグループ】
・目の不自由な人など障害ある人話 を聞く。
・ボランティアをしている人はいない  か調べる。

  【鴨居の町 歩道調査グループ】
・車椅子や杖をついた人には、歩道に自転車などがあると不便なので歩道にある自転車を調べる。

 【鴨居の町 ゴミ調査グループ】
・いろいろなところに捨てられた
ゴミがたくさんあるので、ゴミについて調べる。
 
 
  【鴨居 電信柱調査グループ】
・歩道に何カ所も電信柱があり、邪魔になっているので、どんなところに あるか調べる。
         
4、自分たちの調べたことを発表する
               (3)
・聞く人の身になって発表する。    


5、自分たちのできることを考え,行動にうつす。        (5)
・ポスターをかく。
・ゴミ拾いをする。
・町の掃除をする。
・電信柱を動かすにはどのようにした らよいのか、もう一度調べる。
・老人福祉センターに出かけ、お年寄りの人の世話をする。

 

・国語の学習の「手と心で読む」で学習したことをふりかえりながら、一人ひとりがどんなことをしたいか、考えさせる。
・自分の興味や関心・疑問となるものをみつけさせる。
・実際に目が不自由な場合、どんな様子なのか体験を通して感じさせる。


・実際の体験をもとに目が不自由な人はどのような生活をしているのか、感じさせたい。
・『かわいそう』という考えではなく、自分にとって何ができるか,どうしたらよいのかなどを考えさせたい。
・私たちにできることは何か、これから何をしていかなければならないかなどを気付かせる。    
・前もって、実際の町の様子を写真など
にしておき、子どもたちの興味・関心が
ふくらむように支援す
る。

・町の様子を調べる計画を立てる。

・様々な視点で町の様子を調べさせる。
・デジタルカメラなどを活用させ、興味
・疑問などをふくらませる。
・調べたことを発表するにはどのようなかたちで行うのがいいか、考えさせる。

・インターネットや図書室の本からも資料 を探させたい。


鴨居の町○○マップ、壁新聞、紙芝居
など、様々な表現方法を採らせたい。

・保護者などの協力も得ながら安全面に充分に配慮したい。



・今まで気付かなかったことに着目させたい。


・自分たちの計画に従って時間内にできるように見守りたい。












・ポスターセッション方式でグループごとに発表させる。
・他の学年や保護者に参加してもらい地域としての意識も深まらせたい。
・自分たちの発表から、もっとみんなの
めに住みよい町にするためにどうしたら
いか考えさせ,自分たちのできることに
いては、実践させる。

・自分たちの力で出来ないことについては、これからどのようにしていくのか、再度考えさせる。
 4、今後 実践する学校に対して
                 
 実際に町に出て、自分の目や耳、体を使って確かめると、必ず人が使うであろう公共施設やスーパーマーケットなどい入り口には点字ブロックなどあるが、そこから先には、点字ブロックがあるところは少ない。
 この活動を通して、子供たちは、障害のある方についての考え方が変わり、特に単に障害があって『かわいそう』という考え方から『共に生きている人』という考え方になった。
 県立ライトセンター(横浜市旭区二俣川1-10-2 045-364-0023)では、盲導犬を利用している方を紹介しているので、近くに盲導犬を利用している方がいない場合は、利用すると良い。
 
 5、実際の活動の一端
   
    自分たちでつくったアイマスクを使って校舎の中を歩いてみる子どもたち。
                      

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